マツダ CX-60 PHEV 「シャープなステアフィールと静粛性を両立するSUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
3
走行性能
5
乗り心地
3
積載性
4
燃費
2
価格
4

シャープなステアフィールと静粛性を両立するSUV

2022.11.21

年式
2022年9月〜モデル
総評
CX-60はどのパワートレインを選んでも運転が楽しいSUVであることは間違いないが、そこに静粛性を兼ね備えたいのであればプラグインハイブリッドだろう。また、プラグインハイブリッドSUVの中から選ぶというよりも、CX-60の中から選ぶ選択肢であると感じる。ディーゼル共々、この方向性に攻めてくるSUVは珍しいと感じるので、運転が好きな人はどのパワートレインでも良いので、機会があったら運転してみてほしい。
満足している点
SUVピカイチの運転の楽しさだと言えるだろう。これはディーゼルの方にも共通していることだが、フロントノーズの入りのシャープさはFRレイアウトならではの仕上がりで、どこかロードスターを思わせる雰囲気もある。それくらい曲げて楽しいステアリングフィールとなっている。またブレーキフィールがかっちりしているのも好印象だ。これだけ運転に夢中になれるSUVも他にないと思う。
不満な点
CX-60のプラグインハイブリッドの欠点は燃費性能があまり優れていないこと。そしてこのクラスのSUVとしての欠点は乗り心地が少しハードなところだろう。後者に関しては好みの問題もあるし一概には言えないものの、前者は一般ユーザーからするとプラグインハイブリッドを選ぶ理由の部分が薄くなってしまっているのがウィークポイントと言える。この点は以前からプラグインハイブリッドを展開しているメーカーに比べ、マツダは始めたばかりなので、仕方ない部分もあると思う。
デザイン

3

新開発の「エンジン縦置き&FRレイアウト」を採用したことにより、これまでのマツダのSUVとは大きく異なるシルエットとなっている。ロングノーズを感じさせるボンネットの主張が、最も表れている部分と言えるだろう。しかし、これまでのマツダのSUVと比べるとバランスを保てていないとも感じる。FRレイアウトを採用しているヨーロッパのSUVもあるので、もう少しフロントノーズと平面的なグリルの主張を抑えたデザインとなると、鼓動デザインがより生きてくると感じる。
走行性能

5

操る喜びという面に関して言えば、SUVの中でもトップクラスと言えるだろう。ターンインを開始した時のフロントノーズの入り方は、SUVとは思えないほどシャープで、思わずコーナリングが楽しくなってしまう。それにブレーキのフィーリングも自然になっているのはもちろんだが、剛性感もあって安心してブレーキコントロールができる。
乗り心地

3

SUVトップクラスの操る喜びがあると言ったものの、乗り心地に関して言えばこの手のSUVとしてはややハードな印象を受ける。快適性を備えているか? という面だけで言えば十分と言えるが、価格と内外装の雰囲気的にもう少しコンフォート性が高いゆったりとした乗り心地を求める声も少なくないと思う。一方でPHEVはディーゼルに比べて聞こえてくる音が静かなので静粛性が高い。このパワーユニットがもっともラグジュアリーなCX-60と言える。
積載性

4

ボディサイズからしてもラゲッジスペースが広いのは当然だが、大きめのボディ見た後にラゲッジスペースを見てみると驚きはなく、普通といった印象だ。ラゲッジスペースの各種装備についても特出した飛び道具はない。オーソドックスな仕上がりと言える。ハードなアウトドアユーザーには物足りないと感じてしまうだろう。
燃費

2

WLTCモード14.6㎞/Lという燃費性能は他のプラグインハイブリッドと比べると特出して優れている訳ではなく、むしろ少し劣っていると言える。マツダはまだプラグインハイブリッドのようなモーターが主体となるハイブリッドシステムを始めたばかりなので、この点は今後の進化に期待したいところ。プラグインハイブリッドで燃費性能に優れたSUVが欲しいのであれば、他の選択をした方が良いと言えるだろう。
価格

4

500万円台後半という価格設定は他のプラグインハイブリッドSUVとほぼ同等であり、市場的にもライバルが多い価格帯と言える。そのため、金額面で抜きん出ているという訳ではないものの、新規のFRプラットホームを採用し、マツダとしては新たな取り組みであるプラグインハイブリッドを搭載しているということを考えると、ライバルと同じような金額で出してきたのはものすごく頑張っていると感じさせる価格設定といえよう。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
マツダ CX-60 PHEV 新型・現行モデル

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